職種について
システムエンジニアのキャリアアップは、
プログラマー → システムエンジニア(SE) → プロジェクトマネージャー
が基本パターンで、更に基盤系・業務系などに細分化されます。また、チームを率いず、単独で高い成果をあげるITコンサルタントといった職種もあります。
プログラマー
最初はみんなここからスタートです。上位のシステムエンジニアの指導を受けながら、詳細設計、プログラミング、単体テストといった開発工程の仕事をします。仕事の難易度は他の職種に比べると低いです。
システムエンジニア(SE)
一般的には、２，３年ほどプログラマーの経験を積んだ後の職種がシステムエンジニア（SE）です。システムエンジニア（SE）とプログラマーの境界線は、決まった定義はありませんが、このサイトでは便宜上、ユーザー折衝ができるエンジニア、つまり要件定義から担当できるエンジニアをシステムエンジニア（SE）と定義します。
システムエンジニア（SE）だからといって、設計、プログラミング、単体テストといったプログラマーの仕事をしないということはなく、規模の小さい開発では、システム開発のほぼ全ての行程を担当することもあります。
プロジェクトマネージャー
開発全体を管理する、開発プロジェクトの事実上のトップの人です。その開発プロジェクトの全責任を負い、仕事の難易度は全職種の中で最も高いです。その分、報酬も高いのですが、個人的な意見としては、仕事の難しさ・ストレスを考慮すれば、業界全体でこの職種の処遇はもっと高くてもよいのではないかとも思います。
具体的な仕事内容は、開発費用の見積もり、進捗・リスク管理、全体計画策定など幅広いです。プロジェクト上で発生する課題のうち、システムエンジニア（SE）・プログラマーでは対処できない難しい課題も担当しなければならず、突出した能力が求められます。
ITコンサルタント
他の職種とは若干、種類が違い、IT技術を使って、組織の経営戦略に対して意見したり、新技術の導入などで活躍する人です。ちょっと超越的な能力が求められるため、普通の人がいきなりなれる職種ではありません。最初はSEとしてキャリアを積み、転職するケースも多いです。
年収・給与
一般的に、年収・給与は、
プログラマー → システムエンジニア(SE) → プロジェクトマネージャー
の順で高くなります。ただし、会社に就職して、一所懸命頑張れば、いずれは最高位のプロジェクトマネージャーになれるというわけではありません。それは、IT業界が重層下請構造であることに起因します。
IT業界の仕事は大変幅広いです。例えば、お客様向けの対顧客Webシステムを作るとします。実際にお客様へのサービス開始までに必要な開発工程は、要件定義→基本設計→詳細設計→プログラミング(実装)→テスト→ユーザー受入テスト→移行→サービス開始（リリース）のステップ(開発工程)を踏みます。また、それぞれの開発工程で、設計・実装・テストといった作業だけでなく、進捗・リスク管理、技術的な課題解決、ユーザー折衝などの多岐に渡る仕事があります。
開発規模が大きくなるほど、実際にこれらの仕事を１社で引き受けているケースはなく、各システム会社の得意なエリアを活かしつつ、苦手なエリアは別のシステム会社に再委託するケースが多いです。よくあるパターンとして、いわゆる上流工程と呼ばれる要件定義・基本設計工程をA社が行ない、下流工程と呼ばれる詳細設計以降をB社に再委託するパターンです。この場合、B社のエンジニアがプロジェクトマネージャーを担当することはなく、職種としては、プログラマー・システムエンジニア(SE)しか担当しません。つまり、よりユーザーに近い側、上流工程を請け負う会社が、より高い条件の仕事を担うことになります。
ITコンサルタントについては、上記と比べ異質なため単純比較はできませんが、第一線で活躍できるほどの実力者なら、私の知る限り、この職種がもっとも年収・給与が高いです。
まとめ
どの会社でも段階的にキャリアアップが図れるわけではなく、それぞれの会社で主に担当している開発エリアがあります。それによっては、実力があっても、キャリアの限界が決まってしまい、会社規模などの要素によって給与水準も大きく変わりますので、何より会社選びが重要になります。
普通のシステム開発会社に入社した場合、若い頃は「最終的にプロジェクトマネージャーを目指す」方が大半なのですが、仕事の難易度は高いです。肉体・精神的に厳しいと思ったら、無理をしないことも大切だと思います。
システム開発におけるキャリアのゴールは、プロジェクトマネージャーかITコンサルタントですが、処遇がよい分、高度な成果を要求されますし労働時間が増える傾向があるため、ゴールすることが、本人にとって最も幸せな選択とは限りません。もちろん、高い能力のある方は、是非目指して頂きたいと思います。やはり、能力の低いうちは担当できない職種ですし、呼び名もかっこいいので。
