コミュニケーション能力を高める

システム開発という仕事は100%完璧にはできません。開発規模が大きければ、必ず、バグ・不具合・システム障害が起こります。そういった事態に備える/できるだけ回避するために、ユーザーと良好な関係を築いておく/ユーザーの要望をちゃんと聞ける能力を身につけておくことはとても大事だと思います。

しかしながら、プログラミングやIT技術は好きだけど、コミュニケーション能力が足りていないSEが少なくない気がします。逆に言えば、プログラミングもIT技術もコミュニケーションも全部できれば、希少価値のあるSEになれるということです。

プログラミング・技術の能力と、コミュニケーション能力が逆相関になりやすい関係があるのは、それなりの理由がある気がします。

プログラミング・技術の能力を高めるためには、一人黙々と勉強・学習していくことが必要です。それが仕事の中の実践だとしても。つまり、孤独な時間を増やさないと、プログラミング・技術の能力は高くならない。

一方、コミュニケーション能力を高めるためには、人と話さなければいけません。メラビアンの法則とかノンバーバルコミュニケーションとか独学で身につけるべき知識・技術はもちろんあります。ただ、それ以上に、実際の会話の時間を増やさないとコミュニケーションスキルは向上しない。

また、ここでいうコミュニケーション能力は、私生活で友達と話すのとは違い、ビジネスを円滑に進める能力です。つまり、相手の業務内容や立場やニーズがわからない状態から「相手がITで実現したいこと」を、コミュニケーションを通じて把握しなければなりません。

1日が24時間しかない以上、いくら時間を作っても、両方の技術・スキルを高めるには全然足りないんですよね。だから、よっぽどの天才を除いて、長い時間をかけてベテランSEと呼ばれるほどの経験を積まないと、全ての能力をバランスよく身につけることができないわけです。

「じゃあ、経験を積めば、全部の能力が身につくのか」と思うのは早計です。

システム開発の仕事で、コミュニケーション能力が必要なのは要件定義などの上流工程、プログラミング・IT技術の能力が必要なのは設計以降の下流工程ですが、普通はチームで分業体制で進めていきます。

そして、組織の中で仕事をしていると、上流工程が得意な人はそればっかり、下流工程が得意な人はそればっかりで仕事を振られて、徐々に、苦手な側の能力を身につける機会が減っていく傾向があります。

また、人間、苦手なエリアの勉強は避ける傾向があるので、かなり意識的に努力しないと、全ての能力は身につかないと思います。実際、かなりの経験を積んだベテランSEなのに、コミュ力が低い人はたくさんいます。

稼げるSEになりたいなら、バランスよく、色んなスキルを身につけていきましょう。

コミュニケーションについては、できるだけユーザーと会話する時間を増やしましょう。人間は、自分に好意を持つ人を好きになる特性があるようなので。そして、仕事からちょっと外れたくだけた会話ができるような状態が理想的です。

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